プレーする上で、人工芝と天然芝を意識することははじめのうちはあまりないかもしれません。しかし上達したいと考えている場合には、芝の違いをしっかりと認識しておくことも大切。ここでは、人工芝と天然芝の違いについて解説します。
人工芝には、クラブのヘッドが滑りやすいという特徴があります。そのため、人工芝でダフったとしてもヘッドが勝手に滑ってボールにヒットし、結果としてナイスショットを打つことができます。そのため、初心者でも自信をつけやすいという点もメリット。また、小さなところかもしれませんが、クラブが汚れにくいというメリットもあります。
その反面、人工芝の場合は「本当にナイスショットを打てているのかどうか」という点が判断しにくいというデメリットもあります。実際に人工芝のおかげでうまく打てている場合は、「人工芝ではうまく打てるのに天然芝ではダフってばかり!」ということにもなりがちです。
ゴルフ場の天然芝の長所としては、芝の下が柔らかいため、ダフったとしても手首など体に負担がかかりにくいという点があげられます。また、ダフった時にはボールがうまく飛んでくれないため、ミスショットかどうかが正しく判断でき、上達に繋がりやすい点もメリットといえるでしょう。
反面、天然のものなので毎回芝の長さが同じとは限りません。芝の長さの影響を受けて、回転が不規則になることがある点がデメリットです。また、ミスショットを認識した際に上達にうまくつながると良いのですが、何度もミスショットを繰り返すことで自信喪失につながる可能性がある点も難しいところといえるかもしれません。また、天然芝はクラブが汚れやすいのもデメリットのひとつです。
一口に天然芝といっても、その中にはさまざまな種類があります。日本のゴルフ場のグリーンで最も使用されているのは「ベントグラス」と呼ばれる種類。90パーセント以上のゴルフ場のグリーンで使用されているといわれています。その次に使用されているのが「高麗芝」。それ以外では「バミューダ」「ティフトン」という芝が使用されています。
ここでは、ベントグラスと高麗芝についてご紹介します。
ベントグラスは、ユーラシア原産の西洋芝。常緑性で冷涼な気候を好むという性質があります。ベントグラスにもさまざまな種類があり、「クリーピングベントグラス」という種類は葉が繊細で柔らかいため、密度が高く美しい芝生になります。この芝は極度な刈り込みにも耐えられることから、グリーンに多く利用されている点も特徴といえるでしょう。
また、他に「コロニアルベントグラス」や「ベルベットベントグラス」といった種類もあります。
ベントグラスに次いでグリーンに多く用いられている高麗芝は、西日本で育てやすい芝とされており、春から秋にかけて成長の時期を迎える種類です。冬季間は冬眠期なので手入れがほぼ不要。急激に芝が伸びることもないことから、メンテナンスも簡単という点が大きな特徴です。
ゴルフ場の芝には、「芝目」と呼ばれるものがあります。カップインの確率を上げるためには、この芝目を読むことが大切といわれているため、ゴルフ初心者としては読み方について知っておきたいもの。ここで、芝目の基本について知っておきましょう。
芝目とは、芝生の方向のことをいいます。日本のゴルフ場の場合は、海外のゴルフ場と比較すると比較的芝目の影響は弱いとされていますが、コースによって影響を受ける場合もあります。このことから、やはり芝目の読み方について知っておいて損はありません。特にグリーン上のパッティング時には、芝目を読むことが大切です。
芝目を読む時には、まず「順目」なのか「逆目」なのかを確認しましょう。
順目とは、芝の葉先がカップの方向を向いている状態のこと。この状態だとボールが転がりやすくなるため、ホールを外れてしまった場合には、予想よりも転がってしまうことがあるため、慎重なストロークが求められます。
また、逆目は芝の葉先がホールとは逆の方向を向いている状態で、ボールの転がりが悪くなります。この場合は強めに打たないと距離が伸びないという状況になります。
順目と逆目を見分けるためには、まずグリーン上の色を見てみましょう。太陽の光が反射して白く見える部分は順目、濃い緑色に見えるところは逆目となっている部分です。
グリーン上で芝目を読むことが大切なのはよくいわれることですが、実はフェアウェイでも芝目が影響することもあります。順目の場合はスイングの際ヘッドの抜けが良いですが、逆目の場合は少し引っかかったような感覚がある場合も。 ショットに違和感がある場合には、芝目をチェックしてみると良いでしょう。